みずしな

悪夢ばかりを見る日々。夢は現実で得たたくさんの情報を処理・整理する作業だと主治医が言っていたので、そういうことにしておく。とりあえず頭の中でいろいろなことが行われているらしい。体が正常に動いている証拠でもあるのだ。たぶん。
昨夜も悪夢を見て、朝がやってくるのがずいぶん遅く感じられて心ぼそかった。でも朝は来た。ちゃんと来た。雨だったけれど、それでも朝にちがいなかった。
朝食にひさしぶりにバター・トーストを食べたらおいしかった。さいきんはもっぱらオートミールだったので。

八木詠美『アンチ・グッドモーニング』を読み、そして読み終えた。
社会人(会社員)として労働することは社会(会社)にじぶんの魂を差し出すことだと、暗黙のうちに了解されている世の中が末恐ろしかった。その理不尽さに疑問を持ちつつも誰も何も言わないし、怒らない。いや、言っているし怒っているのだけれど、それを表面に出すことはない。あるいは、社会が怒りを顕にすることをよしとしない。沈黙は美徳、えらい人の言いなりになること、隷属すること・従順であることがよしとされる世の中の、戦争と何がちがうのか。
やがて今、じぶんがいる世界が夢なのか現実なのかがあいまいになっていく。夢の(ような)世界で優しくされ、尊重されるいっぽうで、魂を差し出せと何者かが囁く。そうすれば楽にしてやるからと。
もしくはそれは「わたし」が現実世界で願っていることなのかもしれない。夢と現実の境界がうすくなっていくことを「わたし」は望んでいる。やがて夢に溶けてじぶんがなくなることを。

きのうから町屋良平『生きる演技』を読み始める。新訳が出ていたヘミングウェイ『河を渡って木立の中へ』も読んでいるのに、よりによって長篇の併読。まあいいか。ゆっくりゆっくり読んでいこう。
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