未明まできみと見ていた雨垂れのひとつひとつが思い出になる
注がれるぜんぶが優しい音になりあなたの祈りを包む言の葉
君がわたしを選ばなければ生まれずに済んだなにかがあったのでしょう
いままでのすべてをなかったことにするこのあまみずのあたたかなこと
やけにあかるい部屋でわたしは慈しむあなたやかつてあなただったもの
春の日に髪をほどけばゆびさきにぽっとなにかが宿ったようで
早春の風が運んでゆくものの中にあなたのたましいがある